プラスチックリサイクルにおいて、撹拌工程は単なる“混合”ではありません。
それは再生材料の品質を決定づける最重要プロセスです。
回収されたプラスチックは、使用履歴・劣化状態・含有添加剤・色・厚みなどがそれぞれ異なります。
この不均一な材料を、再び製品として使用できる状態に整えるには、緻密な制御が必要です。
🔍 ① 原料特性のばらつきをどう整えるか
回収プラスチックには、
✔ 紫外線劣化した材料
✔ 油分が付着したもの
✔ 水分を含んだ材料
✔ 異物混入の可能性
など、さまざまな状態があります。
撹拌前には破砕・洗浄・乾燥が行われますが、
それでも材料特性は完全に均一ではありません。
この“ばらつき”をいかに吸収するかが撹拌技術の本質です。
🔥 ② 熱制御の精度が品質を決める
プラスチックは熱可塑性材料であり、
温度制御が不十分だと以下の問題が起こります。
✔ 低温 → 溶融不足・混合不良
✔ 高温 → 分解・ガス発生・強度低下
特にポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)は、
融点は近いものの流動特性が異なります。
そのため、ゾーンごとの温度管理が不可欠です。
再生機内部では、複数のヒーターゾーンで温度を段階的に制御し、
材料が均一に溶融する状態を作り出します。
🌀 ③ スクリュー設計の重要性
撹拌工程ではスクリュー形状が大きな役割を果たします。
✔ 圧縮ゾーン
✔ 混練ゾーン
✔ 脱気ゾーン
圧縮によって材料密度を高め、
混練によって均一化し、
脱気で内部の水分や揮発成分を除去します。
この設計次第で、最終物性が大きく変わります。
⚖ ④ 添加剤による物性補正
再生プラスチックは、使用履歴により分子鎖が短くなっている場合があります。
そのため、
✔ 酸化防止剤
✔ 衝撃改良剤
✔ ガラス繊維補強材
✔ 着色マスターバッチ
などを添加し、性能を回復・補強します。
配合比率は、最終用途によって調整されます。
📊 ⑤ 品質データの蓄積
撹拌後には、
✔ MFR(溶融流動率)測定
✔ 引張強度試験
✔ 曲げ強度試験
✔ 色差測定
を行い、データを蓄積します。
この継続的な管理こそが、安定供給を支える基盤です。
🔎 まとめ
✔ ばらつきを均一化する工程
✔ 温度管理が最重要
✔ スクリュー設計が品質を左右
✔ 添加剤で物性を補正
✔ データ管理で安定化
撹拌工程は、再生プラスチックの品質をつくる“心臓部”です。